1. TOP
  2. ART
  3. 歌川広重ビビッド展

歌川広重ビビッド展

2016年5月20日(金)

広重ビビッド展

〜東京六本木ミッドタウン サントリー美術館〜
hiroshige_vivid_01

行ってきました、『広重ビビッド〜原安三郎コレクション〜』
歌川広重の最晩年の野心作<六十余州名所図会>と<名所江戸百景>の全コレクション展覧会。コレクターは、原安三郎(1884-1982)という日本化薬株式会社の元会長さんで、日本の財界の大変お偉い方が当時の宣教師から譲り受けた錦絵ということですが、とにかく保存状態が最高に良く、今回のコレクションの目玉でもある、全作品が初摺で、その中でもさらに初期の摺りで、実際に見てみても、色鮮やかで、まるで昨日完成したばかりのような深みのあるブルーやグラデーションの美しさが印象的な広重の作品たちです。この広重の人気作の2つが同時に全作品が初摺で鑑賞できるのは、今回が初めてとの事なので、大変貴重な機会です。
hiroshige_vivid_02

↑ゴッホが模写した事でも世界的に有名な広重の<名所江戸百景 新大橋>。当時の西洋の絵画には、雨を表現した作品は無かったので、ゴッホやモネが受けた衝撃の大きさは計り知れない。天部の雨雲が重く垂れ下がっている黒い墨のグラデーション表現と、激しい雨で遠景が霞む様子が天才的だ。

hiroshige_vivid_03

↑この作品も野心的だ。目には見えない風を見事に絵として表現している。<六十余州名所図絵 美作 山伏谷>

hiroshige_vivid_04

↑この大胆な構図は、一目見ただけで、興味を引かれる。<名所江戸百景 王子>

hiroshige_vivid_05

↑北斎の<富嶽三十六景の神奈川沖波裏>の波の表現に、広重が感化されている事が想像できる渾身の一作。<六十余州 阿波鳴門>

錦絵が庶民に大流行した江戸時代。北斎や広重といった超売れっ子作家たちが、売れる理由は、ちゃんとある。多くの浮世絵作家が競い合って大量の錦絵を販売する中で、売れる作品と売れない作品がはっきり分かれる。ほとんどが売れないで消えて行く中で、どうしたら、人々が自分の作品を買ってくれるかを必死で考え、試行錯誤の連続で編み出されたノウハウの結集が、北斎や広重の作品に共通する、パッと一目で見て、目を引かせる、作品を手に取ってもらう為の、斬新な構図の取り方や、ビビッドな色彩表現、広重が挑戦した、夜の表現、縦の表現、絵師が摺師と一緒に制作に望んだ、徹底にこだわった鮮やかな色とグラデーションの表現。これらの沢山の試行錯誤の結集を今回の作品全てに感じとる事ができる、貴重なコレクションです。

hiroshige_vivid_06

今回の展覧会は、その他にも、北斎の『富嶽三十六景』、<赤富士>、<神奈川沖波裏>、<千絵の海>全10作品が同時に楽しめる、とても贅沢な展覧会ですので、興味のある方は、ぜったい行った方がいいですよ。

hiroshige_vivid_07

hiroshige_vivid_08

hiroshige_vivid_09

図録がスゴイ!
hiroshige_vivid_10
展覧会のお楽しみのミュージアムグッズですが、今回は、図録がスゴく充実しています。広重の『江戸名所百景』全120作品と『六十余州名所図絵』の全70作品、北斎の『千絵の海』全10作品、その他が掲載されてます。絵はがきよりも大きいサイズなので、見やすいですし、現在の現地写真と解説付きで読み応えもあります。

hiroshige_vivid_11

hiroshige_vivid_12

hiroshige_vivid_13